着床不全の原因
着床不全の原因として、胚(受精卵)の問題によるもの、母体の問題によるもの、あるいはその両方の問題によるものがあります。
胚(受精卵)側の問題
ヒトは、1 人 1 人の特徴を決定する設計図の役割を果たす「染色体」を 46 本持ちます。これは自分の親から半分ずつ受け継いだものです(母親側から 23本、父親側から 23 本)。このようにして受け継がれる染色体の数に異常があることが原因で胚が上手く育たず、着床不全の原因になる事があります。この染色体の異数性は母親の年齢が高いほど起きやすいともいわれています。

母体側の問題
原因①:子宮の異常
子宮内の細菌の分布に異常があったり、着床しやすい時期が他の人とずれていることが原因で着床不全になっている可能性があります。
原因②:栄養状態の異常
栄養状態が悪いことで着床に適した状態ではない可能性があります。
原因③:免疫反応の異常
免疫反応に異常があり、体が胚を間違えて異物と認識してしまうことで着床不全になっている可能性があります。
原因④:ご夫婦の染色体の構造異常:
ご夫婦どちらかの染色体に構造異常(傷や欠損など)があると、胚(受精卵)へもその異常構造が受け継がれるのでそれが原因で着床不全を起こします。
検査と治療
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子宮鏡検査
子宮内の癒着やシネキア、超音波では確認できない小さいポリープ、ある程度強い子宮内膜の炎症の有無等が確認できます。
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EMMA・ALICE 検査(先進医療)
子宮内の細菌の分布に異常がないかが調べられる検査。原因1が分かります。
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ERA 検査(先進医療)
着床しやすい時期が他の人とずれていないかが調べられる検査。原因1が分かります。
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採血検査
ビタミン D:着床率に深く関わり、不足していると着床率・妊娠率が下がります。原因2を調べます。
亜鉛と銅:これらの体内バランスが良くないと着床を妨げてしまいます。原因2を調べます。Th1(ヘルパーT細胞1)とTh2(ヘルパーT細胞2)はどちらも体内の免疫反応に深く関わっています。これらのバランスに異常があると胚を攻撃してしまいます。原因3を調べます.
G バンド染色体:ご両親の染色体に異常構造がないかを調べます。原因4が分かります。 -
PGT-A
体外受精・顕微授精で得られた胚の染色体の数に異常がないかを調べるもの。
胚の染色体の数の異常は視覚的には分からないので、視覚的に良好と判断された胚に染色体の数の異常がないかが分かります。
原因1に対する処置です。
料金について
料金については以下になります。
※患者様によって保険診療では行えない検査がございます。詳しくはスタッフにお尋ねください。
※別途、診察料や手技料等がかかります。
子宮鏡検査
子宮鏡検査 | 20,000円(税込 22,000円) |
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EMMA 検査(先進医療)
EMMA 検査(先進医療) | 65,000円(税込 71,500円) |
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ALICE 検査(先進医療)
ALICE 検査(先進医療) | 65,000円(税込 71,500円) |
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ERA 検査(先進医療)
自費料金 | 145,000円(税込 159,500円) |
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採血
ビタミンD
自費料金 | 7,000円(税込 7,700円) |
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亜鉛・銅
自費料金 | 5,000円(税込 5,500円) |
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Th1・Th2
自費料金 | 20,000円(税込 22,000円) |
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G バンド染色体
保険料金 | 約7,660円 |
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自費料金 | 26,000円(税込 28,600円) |
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PGT-A(胚 1 個につき)
自費料金 | 110,000円(税込 121,000円) |
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